症例
イマニチブ投与下に妊娠を継続した転移性肝腫瘍破裂既往の小腸GIST合併妊娠の1例
中井 麻稀
1
,
渡邊 佑子
1
,
柳本 喜智
2
,
坂田 美奈
1
,
伊東 優
1
,
横井 恵理子
1
,
高橋 良子
1
,
池田 佳代
1
,
吉田 晋
1
,
辻江 智子
1
,
脇本 昭憲
1
M. Nakai
1
,
Y. Watanabe
1
,
Y. Yanagimoto
2
,
M. Sakata
1
,
Y. Ito
1
,
E. Yokoi
1
,
R. Takahashi
1
,
K. Ikeda
1
,
S. Yoshida
1
,
T. Tsujie
1
,
A. Wakimoto
1
1市立豊中病院産婦人科
2市立豊中病院外科
pp.1595-1600
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002411
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
チロシンキナーゼ阻害薬であるイマチニブは催奇形性や胎児毒性の報告があり,妊娠中の投与は推奨されていない。今回,小腸GIST術後で,転移性肝腫瘍破裂の既往のある妊婦に対しイマチニブ投与下に妊娠を継続し分娩に至った1例を経験した。症例は38歳,3妊1産。自然妊娠成立し,以後イマチニブを自己中断していた。長期休薬による母体リスクが高いと判断し,妊娠14週6日より内服を再開した。妊娠中,明らかな胎児奇形や胎児発育不全は認めず,肝腫瘍の増大なく経過し,妊娠36週6日に帝王切開にて分娩となった。妊娠中もイマチニブを内服することで肝腫瘍破裂を繰り返すことなく,生児を得ることができた。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.