臨床経験
リスク低減卵管卵巣摘出術後の遺伝性乳癌卵巣癌患者に対する,当院における漢方薬を中心としたヘルスケア診療の試み
安達 将隆
1,2,3
,
地野 充時
3
,
渡邉 沙耶
1
,
島田 紗也葵
1,2
,
鎌田 麻由美
1,2
,
真壁 健
1,2
,
大木 慎也
1,2
,
大野 暁子
1
,
三上 佳子
1
,
山下 博
1
M. Adachi
1,2,3
,
A. Chino
3
,
S. Watanabe
1
,
S. Shimada
1,2
,
M. Kamata
1,2
,
T. Makabe
1,2
,
S. Oki
1,2
,
A. Ohno
1
,
Y. Mikami
1
,
H. Yamashita
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター産婦人科
2同 臨床遺伝センター
3医療法人社団誠馨会千葉中央メディカルセンター和漢診療科
pp.1587-1593
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002409
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遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)に対するリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)は,外科的閉経をきたしQOLを低下させる。卵巣欠落症状には通常ホルモン補充療法(HRT)が用いられるが,乳癌既発症例では禁忌のため,その代替療法が考慮される。当院では2019年10月~2021年5月にRRSOを6例実施し,術後の諸症状に漢方が有用であった4例を経験した。当院の自験例では,ホルモン欠落症状に限らず,乳癌の薬物療法に起因する症状を呈する症例が多くみられた。症例の経過・背景により様々な症状を呈するHBOC患者のヘルスケア診療に,証に基づく漢方薬は幅広く対応可能で有用と思われた。
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