特集 子宮体がんup to date
2.子宮体がんの予防
-―ホルモン剤,肥満予防・減量と身体活動のエビデンス―
髙松 潔
1
,
橋本 志歩
1
,
杉山 重里
1
,
小川 真里子
1
K. Takamatsu
1
,
S. Hashimoto
1
,
J. Sugiyama
1
,
M. Ogawa
1
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科
pp.1297-1307
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002334
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
子宮体がん,特に子宮内膜癌には危険因子と保護因子が知られており,なかでも一次予防として自分で選択・修正可能なものとして,ホルモン剤〔経口避妊薬(OC)・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP),レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS),ホルモン補充療法(HRT)〕,肥満予防・減量と身体活動増加が挙げられる。OC・LEPについては,これまでの報告において,ほぼ一貫してリスクの低下が示されており,服用期間が延びるほどリスクが低下すること,服用中止後も効果が持続することが知られている。一方,LNG-IUSは子宮内膜への直接作用により,経口でのOC・LEPよりも強い子宮内膜保護作用をもつことが示されている。また,持続併用投与によるHRTには子宮内膜癌予防効果が知られており,LNG-IUSを用いたHRTはさらなる効果が期待されると考えられる。一方,肥満は環境因子のなかで最も大きな癌の要因と考えられており,子宮内膜癌に対しても肥満防止や減量による予防効果は確実である。また,身体活動はすべてのタイプのものが子宮内膜癌リスク低下に関連していることがほぼ確実とされている。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.