特集 子宮体がんup to date
1.子宮体癌の代謝内分泌学的リスク因子とメトホルミンの作用機序
羽生 裕二
1
,
碓井 宏和
1,2
Y. Habu
1
,
H. Usui
1,2
1千葉大学医学部附属病院婦人科
2千葉大学大学院医学研究院生殖医学
pp.1289-1295
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002333
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子宮体癌のリスク因子として,肥満,未産婦,多囊胞性卵巣症候群,糖尿病などが古くより知られてきた。非常に多くのメタ解析が行われ,古典的なリスク因子が検証されつつある。肥満が最も重要な子宮体癌の発症リスク因子であった。メトホルミンはビグアナイド系の糖尿病治療薬であるが,一部の癌に対しては,発癌リスクを低下させる。メトホルミンが子宮体癌の発症を抑制するという報告はまだないが,われわれの施設で行われた手術前患者に対する検討では,メトホルミンにより子宮体癌細胞の増殖活性は抑制されていた。メトホルミンの作用機序としては,間接効果であると推定された。子宮体癌妊孕性温存療法にメトホルミンを併用した臨床試験が行われており,結果の公表が待たれる。
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