特集 婦人科がんの予防update
8. 家族性子宮体がんの予防
竹田 貴
1
,
阪埜 浩司
1
,
安康 真由香
1
,
井関 隼
1
,
世良 亜沙子
1
,
安達 将隆
1
,
青木 大輔
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1699-1705
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000229
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遺伝性腫瘍としての子宮体癌は全子宮体癌の約5%と推定され,Lynch 症候群はその大部分を占める。Lynch 症候群はミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする遺伝性疾患で,大腸癌や子宮体癌を高率に生じうる。近年,遺伝性腫瘍は一般的にも認知され,産婦人科医が精通すべき重要な領域となってきている。Lynch 症候群において,早期発見や罹患リスク低減を目指したサーベイランスは重要であり,リスク低減手術として,NCCN ガイドラインでは子宮全摘術および両側付属器摘出術が提唱され,そのほかに経口避妊薬の内服など化学予防の有効性も示されているが,わが国では日常診療における推奨までには至っていない。本邦と諸外国における推奨の差や最新の動向に留意しつつ,個々の症例に応じた適切な管理が重要であると考えられる。
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