特集 今さら聞けない産婦人科診療のコツとトラブル対処法
6.外科的閉経後女性へのHRT
-―いつから? どうやって? いつまで続ける?―
髙松 潔
1
,
吉丸 真澄
1
,
小川 真里子
1
K. Takamatsu
1
,
M. Yoshimaru
1
,
M. Ogawa
1
1東京歯科大学市川総合病院産婦人科
pp.1609-1618
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000669
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外科的閉経後では,自然閉経後以上に各種疾患・病態や愁訴が多いことが知られており,自然閉経後女性と同等以上のヘルスケアが必要である。これに対し,ホルモン補充療法(HRT)の有用性が高いことはいうまでもない。懸念される婦人科癌サバイバーや子宮内膜症などのホルモン依存性疾患における原病の再発・再燃リスクも,これまでの報告では上昇を認めておらず,HRTガイドライン上もHRTは推奨されている。また,乳癌リスクが高いBRCA遺伝子変異女性における予防的卵管卵巣切除術(RRSO)後のHRTにおいても,乳癌リスクの上昇は認めていない。
開始時期やレジメンについてはいまだ議論があるが,外科的閉経後女性には,実際に施行するかどうかは別にして,HRTという治療の選択肢があることを提示することは必須であると考えられる。
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