特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅵ.性教育
1.日本における性教育の現状と課題
安達 知子
1
T. Adachi
1
1母子愛育会総合母子保健センター愛育病院(名誉院長)
pp.1157-1163
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002305
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わが国の性教育は先進諸国に比較して大幅に遅れている。しかし,1980年代のAIDSパニックから2000年までは性教育推進の時期であり,今でも課題とされる予期せぬ妊娠の防止や人間関係のあり方にも及んでいた。その後の性教育バッシング,学習指導要領における性教育への歯止め規定は学校現場における性教育を萎縮させた。今,2023年度から始まる生命(いのち)の安全教育は性暴力撲滅を大きな目標としているが,人間関係性を含めた包括的性教育へと誘導していくことは可能である。そのためにも幼児期から中学卒業までにリプロダクティブヘルス全般,性交,およびこれに関連する項目を発達段階に応じて学校で学ぶ体制を作っていく必要がある。日本の性教育の歴史と今後の課題について解説した。
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