特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅴ.生殖機能維持と保存
4.子宮移植
木須 伊織
1
I. Kisu
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1150-1155
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002304
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これまで先天性および後天性子宮性不妊女性が自ら妊娠出産することは不可能であった。特に腫瘍やそのほかの理由で子宮摘出術を受けるAYA世代の女性にとっては治療後に妊孕性を失うことが大きな課題である。近年,これらの子宮性不妊女性の挙児を目的として子宮移植という技術が考えられている。海外ではすでに臨床研究が開始され,子宮移植後の生児獲得の報告が多くの国でなされるようになってきた。一方で,子宮移植にはほかの生殖補助医療と同様に医学的,倫理的,社会的課題が内包され,臨床応用にはこれらの課題を慎重に検討する必要がある。しかしながら,子宮移植はこれまで挙児が不可能とされていたAYA世代の子宮性不妊女性に福音をもたらすことが大いに期待される。
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