症例
Zona-free卵子が受精後2つの胚盤胞に発生した1例
玉田 いつみ
1
,
中野 達也
1
,
佐藤 学
1
,
太田 志代
1
,
中岡 義晴
1
I. Tamada
1
,
T. Nakano
1
,
M. Satoh
1
,
S. Ota
1
,
Y. Nakaoka
1
1医療法人三慧会IVFなんばクリニック
pp.549-554
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002153
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透明帯がない卵子〔zona pellucida-free(ZF)卵子〕の培養は多数報告されており,凍結や妊娠成立も確認されている。今回われわれは,ZF卵子を培養し,1つの受精卵から2つの胚盤胞が形成された症例を経験した。タイムラプスを用いて胚の発育過程を詳細に観察すると,割球間に存在するフラグメントの存在や割球の存在範囲などが影響したのではないかと考えている。さらに本症例で得られた胚盤胞は果たして移植可能な胚として扱うことができるのであろうか。取り扱いに関しては倫理的に様々な問題がある。また同様の症例を防止するために,われわれはどのような培養環境を用意するべきなのであろうか。現状,答えは見つかっていない。
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