臨床経験
卵管間質部妊娠術後妊娠と子宮破裂
-―当施設における症例集積研究と系統的文献レビュー―
成重 さつき
1
,
濱田 裕貴
1
,
富田 芙弥
1
,
熊谷 祐作
1
,
只川 真理
1
,
岩間 憲之
1
,
星合 哲郎
1
,
齋藤 昌利
1
,
八重樫 伸生
1
S. Narishige
1
,
H. Hamada
1
,
H. Tomita
1
,
Y. Kumagai
1
,
M. Tadakawa
1
,
N. Iwama
1
,
T. Hoshiai
1
,
M. Saito
1
,
N. Yaegashi
1
1東北大学病院産婦人科
pp.539-548
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002152
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子宮破裂のリスクを有す卵管間質部妊娠術後妊娠の周産期予後を明らかにするため,症例集積研究および系統的文献解析を行った。当施設で管理入院を行った症例は満期の予定帝王切開に至った。系統的文献解析では,卵管間質部妊娠術後妊娠の38.7%に子宮破裂を認めた。子宮破裂を起こした群で生児獲得率は65.5%と有意に生児獲得率が低かった。子宮破裂を発症した週数の中央値は32週,範囲は妊娠9~40週であった。卵管間質部妊娠術後妊娠と腹腔鏡下筋腫核出術後妊娠の生存時間解析では,両群に統計学的有意差を認めた。卵管間質部妊娠術後妊娠では子宮破裂が高頻度で起こり,周産期予後が悪いため,管理入院を含めた集学的管理も考慮される。
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