特集 着床前診断—現状と近未来の方向性—
各論
7.胚盤胞生検と初期胚生検に関する技術的課題
-—モザイク胚の発生要因とその取り扱い—
中野 達也
1
,
中岡 義晴
2
T. Nakano
1
,
Y. Nakaoka
2
1IVFなんばクリニック生殖技術部門
2同クリニック院長
pp.855-860
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001362
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着床前染色体異数性診断(PGT-A)では,染色体の網羅的解析法が臨床応用されるようになった。それに伴い,初期胚生検からより多くの細胞数が採取できる胚盤胞生検となり解析精度が向上する一方で,複数細胞を用いることでモザイク胚が診断されるようになった。栄養外胚葉(TE)細胞のモザイクは必ずしも胚全体を反映しないことや生殖補助技術(ART)施設間などで発生頻度が異なることなど,モザイク胚と診断される原因には様々なものが考えられている。しかし,胚移植により正常児の出生の報告もあることから取り扱いは定まってない。このような状況で診断されたモザイク胚の取り扱いについては各ART施設に委ねられているため,適切な情報を得ていく必要がある。
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