臨床経験
当院における医学的適応による未受精卵子凍結の現状と妊娠症例報告
阪本 なつき
1
,
中野 達也
1
,
佐藤 学
1
,
門上 大祐
1
,
中岡 義晴
1
N. Sakamoto
1
,
T. Nakano
1
,
M. Satoh
1
,
D. Kadogami
1
,
Y. Nakaoka
1
1医療法人三慧会IVFなんばクリニック
pp.625-630
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002585
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近年,がん罹患数は増加傾向にあるが,がん治療の進歩により予後は大きく改善し,治療後に挙児を希望する患者は今後増えることが予想される。そのサポートとして,がん治療による生殖細胞への直接的な悪影響を回避するために,原疾患治療前に精子,卵子または卵巣の凍結保存が普及してきている。しかし,医学的適応による生殖細胞凍結の報告はいまだ十分とはいえず,厚生労働省は2021年より「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存治療研究促進事業」を開始し,国と自治体による公的助成金の開始や,妊孕性温存治療のエビデンスの確立を目指している。そのためには今後のさらなる症例の蓄積と,予後に関する検討が必要である。本稿では,当院における医学的適応における卵子凍結の現状を報告する。
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