特集 いま改めて妊娠高血圧症候群を考える―診療指針改訂のポイントから―
11.血栓性微小血管症〔TMA(TTP,aHUS)〕
中本 收
1
O. Nakamoto
1
1大阪市立総合医療センター産科
pp.515-520
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002146
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HDPでもみられる血管内皮障害に起因する病態として,血栓性微小血管症(TMA)が知られている。TMAは血小板血栓,血小板減少,破砕赤血球に特徴づけられ稀な疾患であるがHDP臓器障害,HELLP症候群との鑑別が必要になる。妊産褥婦に関連した病態として特にTTP,aHUSが重要になる。TTPは妊娠中の発症,aHUSは分娩後の発症が特徴で,血小板減少とともに腎機能障害,AKIを伴いやすい。TTPはADAMTS13活性の低下により診断されるが,血小板輸血は禁忌であることに注意が必要となる。
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