特集 最新知識の理解に役立つ 産婦人科医療の変遷と展望
婦人科腫瘍
1.子宮頸がん予防
宮城 悦子
1
,
水島 大一
1
,
中安 優奈
1
,
長阪 一憲
2
,
森定 徹
3
E. Miyagi
1
,
T. Mizushima
1
,
Y. Nakayasu
1
,
K. Nagasaka
2
,
T. Morisada
3
1横浜市立大学大学院医学研究科産婦人科
2帝京大学医学部産婦人科学講座
3杏林大学医学部産科婦人科
pp.1083-1088
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001874
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子宮頸がんは,HPVワクチン接種と高度前がん病変を検出可能な検診により浸潤がんを予防し将来的に排除されうる疾患となった。しかし日本では,HPVワクチン接種率は,機能性身体症状とされる有害事象により2013年からの積極的接種勧奨の差し控えによりほぼゼロに近い状況であり,検診受診率も約40%台と低迷している。若い女性に罹患リスクが高い本疾患の罹患率・死亡率をわが国で減らすために,HPVワクチン接種の積極的勧奨の早期再開は必須であるが,新型コロナウイルス感染症対策に追われるなかで,いまだ大きな動きはない。一方で2020年以降に,4価HPVワクチンの男性への適応拡大,9価HPVワクチンの発売があり,子宮頸がん検診へのHPV検査導入の議論が開始されている。
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