今月の臨床 子宮頸がんの予防戦略―ワクチンと検診
HPVワクチン─確実な予防効果
1.子宮頸がんは予防すべき「がん」である
小西 郁生
1
1京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学
pp.242-245
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102287
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はじめに
2009年10月16日,わが国においても,ついにヒトパピローマウイルス(human papillomavirus : HPV)の感染を予防するワクチンが正式承認された.このことにより子宮頸がんの発生原因であるHPVの60~70%を占める16型および18型の感染を防ぐことが可能となり,このワクチン接種と従来からの子宮頸がん検診の両方を押し進めることにより,わが国において,あるいはこの地球上で,子宮頸がんの発生を限りなくゼロに近づける展望が開けてきたといえる.そこで,本稿では子宮頸がんの原因を探求してきた歴史を振り返りながら,現在,われわれが立っている地点を確認し,近未来における子宮頸がん征圧を展望したい.
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