特集 Rare tumorの最新知識
Ⅰ.卵巣腫瘍
3.カルチノイド腫瘍
飯田 泰志
1
,
岡本 愛光
1
Y. Iida
1
,
A. Okamoto
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科学講座
pp.821-826
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001805
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
卵巣カルチノイド腫瘍は卵巣に発生した低〜中グレードの神経内分泌腫瘍(NET)で,NETの1.2%,卵巣悪性腫瘍の0.1%を占める稀な腫瘍である。多くの症例がⅠ期で診断され,Ⅰ期症例の予後は極めて良好である。進行例の予後は不良であるが,これらの症例に対する治療に関するエビデンスはない。一方,膵・消化管NETの進行例に対してはソマトスタチンアナログ,マルチターゲット型受容体チロシンキナーゼ阻害薬,mTOR阻害薬などの有効性が示されており,今後進行卵巣カルチノイド腫瘍に対してこれらの薬剤の効果を検証する国際共同臨床試験が行われることが期待される。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.