特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
c.病理・病変用語
カルチノイド腫瘍(carcinoid tumor)
渡辺 英伸
1
1新潟大学第1病理
pp.414
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104086
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1907年Oberndorferによってカルチノイド腫瘍が初めて報告された.本腫瘍は幹細胞の分裂で生じた娘細胞が内分泌細胞への分化を獲得した“幼若内分泌細胞”から発生し,アミンやペプチドを有する分化型内分泌細胞から構成される腫瘍である2).
その特徴は,①細胞学的に,異型度の低い細胞から成る(好酸性微細顆粒状の,比較的広い細胞質と円~卵円形の均一小型核を有する細胞で構成され,核分裂像はないか,またはごくまれ.Ki-67標識率は1%以下),②構造的に,索状,吻合索状(リボン状),小さい充実結節状,ロゼット様構築をとる,③間質は毛細血管に富む,④発育は緩徐で,予後の良い腫瘍である.
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