特集 Rare tumorの最新知識
Ⅰ.卵巣腫瘍
2.粘液性癌
島田 宗昭
1
,
永井 智之
1
,
八重樫 伸生
1
M. Shimada
1
,
T. Nagai
1
,
N. Yaegashi
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.815-819
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001804
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進行・再発卵巣粘液性癌の化学療法抵抗性が報告され,組織型に基づくがん薬物療法のレジメン開発の必要性が指摘されているものの,希少がんであることから国際協働においても第III相試験の完遂は容易ではない。進行粘液性癌の治療において,原発性・転移性の鑑別診断は極めて重要であり,治療戦略立案の第一歩となる。粘液性癌に対する殺細胞性抗がん剤を用いた化学療法の抗腫瘍効果の限界が示されつつあるなか,進行がん症例に対しては,手術療法による完全切除を目指す意義が改めて認識されている。また新たな治療選択として,近年,臨床実装された「がん遺伝子パネル検査」を含むゲノム診断に基づく分子標的治療薬の開発が期待されている。
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