特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
12.PARP阻害薬抵抗性の分子機序
谷口 俊恭
1
T. Taniguchi
1
1東海大学医学部医学科基礎医学系分子生命科学(教授)
pp.545-554
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001725
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卵巣癌の治療にはプラチナ製剤が使われてきたが,最近,PARP阻害薬もBRCA1/2に変異のある症例や相同組換え修復欠損(HRD)のある症例などを中心に使われるようになった。それに伴い,プラチナ・PARP阻害薬に対する抵抗性(耐性)獲得が臨床上重要な問題となっている。様々な耐性獲得メカニズムが提唱されているが,そのなかでも「BRCA1/2自体の二次変異〔復帰変異(reversion mutation)〕による機能回復」は臨床的に重要である。本稿では,BRCA1/2の二次変異を中心にPARP阻害薬耐性の分子機序についての最近の知見を概説する。
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