今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する
新規治療薬の作用機序と使いどころ《分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬》
PARP阻害薬の作用機序と使いどころ
渡邉 絵里
1
,
梶山 広明
1
1名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学講座
pp.334-343
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209938
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●PARP阻害薬は,DNA修復機構において一本鎖切断修復を妨げるため,二本鎖切断修復機構に異常をきたした細胞に投与することで,細胞死を導く(合成致死).
●再発卵巣がん治療 : オラパリブ,ニラパリブ,ルカパリブの3剤いずれも,BRCA遺伝子変異陽性もしくは腫瘍が相同組換修復異常を有する症例で,プラセボ群に比較し,大幅なprogression-free survival(PFS)の延長を認めた.
●新規に診断された進行卵巣がんの一次維持療法 : オラパリブはBRCA遺伝子変異を有しプラチナ製剤感受性の症例,ニラパリブはBRCAの有無にかかわらず,相同組換修復異常を認める症例で,progression-free survivalを改善した.
●有害事象 : オラパリブでは貧血,ニラパリブでは血小板減少が多く報告されるなど,各薬剤により有害事象が異なるため,投与に際し注意が必要である.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.