特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
10.初回治療時のPARP阻害薬のエビデンスと患者による使い分け
志鎌 あゆみ
1
,
佐藤 豊実
1
A. Shikama
1
,
T. Satoh
1
1筑波大学医学医療系産科婦人科学
pp.531-536
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001723
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
卵巣癌では,BRCA1/2をはじめとする相同組換え修復関連遺伝子の異常により相同組換え修復欠損(HRD)を約半数に認める。HRDを呈する腫瘍細胞では,PARP阻害薬が抗腫瘍効果を発揮すると考えられ,複数の臨床試験でPARP阻害薬の有効性が報告されている。わが国では,卵巣癌における初回化学療法後の維持療法として,オラパリブ,ニラパリブ,オラパリブとベバシズマブの併用が保険承認されている。t/gBRCA1/2遺伝子検査やHRD検査といったコンパニオン診断薬を使用した,卵巣癌の初回治療におけるPARP阻害薬の選択について概説する。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.