診療
難治性放射線性膀胱炎・直腸炎に対する高気圧酸素療法の治療効果の検討
小菅 悠希
1
,
秋山 梓
1
,
板垣 博也
1
,
田坂 暢崇
1
,
志鎌 あゆみ
1
,
中尾 砂理
1
,
越智 寛幸
1
,
水口 剛雄
1
,
佐藤 豊実
1
Y. Kosuge
1
,
A. Akiyama
1
,
H. Itagaki
1
,
N. Tasaka
1
,
A. Shikama
1
,
S. Nakao
1
,
H. Ochi
1
,
T. Minaguchi
1
,
T. Satoh
1
1筑波大学附属病院産科・婦人科
pp.983-988
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001844
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婦人科悪性腫瘍に対して放射線療法は広く用いられるが,放射線療法後に晩期障害を発症するとその多くが難治性であり侵襲的な治療を要することがある。今回われわれは,放射線晩期障害である放射線性膀胱炎・直腸炎に対して高気圧酸素療法を施行し,その治療効果と副作用について検討した。2008~2019年に子宮頸癌,子宮体癌に対して当院で放射線療法を行い難治性の放射線性膀胱炎・直腸炎を発症した12例に高気圧酸素療法を施行し,91.6%に改善を認めた。副作用は1例に軽度の耳痛を認めたのみであった。放射線性膀胱炎の再燃を高気圧酸素療法終了後2カ月で1例に認めたが,ほかの症例では血尿や下血の再燃は認めなかった。難治性の放射線性膀胱炎・直腸炎に対して高気圧酸素療法は高い奏効率を示し重篤な副作用も認めず,有用な治療法であった。
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