特集 卵巣癌の手術up to date
13.妊孕性温存手術
佐藤 豊実
1
,
志鎌 あゆみ
1
,
秋山 梓
1
T. Satoh
1
,
A. Shikama
1
,
A. Akiyama
1
1筑波大学医学医療系産科婦人科学
pp.543-547
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000435
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妊孕性温存手術を行う際,類内膜癌と粘液性癌では後腹膜リンパ節は生検が適切かもしれない。手術時に正常にみえる対側卵巣の生検は省くべきかもしれない。術中迅速組織診断ができない場合,行っても病理医が確定的な診断を下せないと判断した場合には二期的手術の選択が賢明であろう。強固な癒着がある場合は癒着面に腫瘍細胞の露出を伴うか否かの確認が必要であろう。患側の腫瘍摘出術は不可と考えるが不可とするに足るエビデンスはない。前方視的臨床試験であるJCOG1203は,主解析対象例はもちろん,非主解析対象例の検討からより望ましい術式に関しても示唆を与えるかもしれない。
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