症例
卵巣成熟奇形腫茎捻転に伴い血清CA19-9が急上昇した1例
一井 直樹
1
,
河原井 麗正
1,3
,
兼子 絢華
1
,
鍵本 昌孝
1
,
柿沼 薫
1
,
岡田 真也
2
,
大和田 倫孝
1
,
柿沼 敏行
1
N. Ichii
1
,
Y. Kawarai
1,3
,
A. Kaneko
1
,
M. Kagimoto
1
,
K. Kakinuma
1
,
S. Okada
2
,
M. Owada
1
,
T. Kakinuma
1
1国際医療福祉大学病院産婦人科
2国際医療福祉大学病院病理診断科
3国際医療福祉大学成田病院産婦人科
pp.447-450
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001698
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卵巣成熟奇形腫では血清CA19-9が高値を示し,また約1%に悪性転化が認められる。われわれは,卵巣成熟奇形腫茎捻転の手術待機中の3週間でCA19-9が急上昇したため悪性転化を疑ったが,良性であった1例を経験した。年齢は60歳で,手術待機中にCA19-9が2,633U/mlから31,246U/mlに急上昇した。病理診断は,顕著な凝固壊死や出血を伴う成熟奇形腫であった。卵巣成熟奇形腫では捻転によりCA19-9が急上昇する例のあることがあり,診断にあたっては,年齢,腫瘍径,画像所見に加えて,茎捻転の有無および経過時間を考慮して,腫瘍マーカーを解釈することが重要である。
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