症例
産褥期に発症した急性巣状細菌性腎炎(AFBN)
豊嶋 弘一
1
,
紀平 知久
2
,
田中 宏幸
1
,
中西 雄紀
1
,
坂部 茂俊
1
H. Toyoshima
1
,
T. Kihira
2
,
H. Tanaka
1
,
Y. Nakanishi
1
,
S. Sakabe
1
1伊勢赤十字病院感染症内科
2同病院産婦人科
pp.441-446
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001697
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出産翌日に発症した急性巣状細菌性腎炎(AFBN)を早期に診断しえた症例を経験した。症例は39歳,2妊2産婦。妊娠40週5日で出産した翌日に悪寒を伴う発熱,左腰痛を認め,Klebsiella pneumoniae菌血症を伴う急性腎盂腎炎と診断した。尿グラム染色で尿中白血球が少なかったこと,超音波検査にて水腎症を伴わない左腎腫大を認めたこと,抗菌薬投与後72時間経過しても解熱しなかったことからAFBNを疑い,造影CT検査にて確定診断に至った。妊娠期において尿路感染症は重要な合併症であり,AFBNや腎膿瘍(RA)の存在は常に疑うべきである。
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