症例
鎖骨上窩リンパ節腫大で発見された上皮性卵巣癌の1例
坂本 優香
1
,
大和田 倫孝
1
,
岡田 真也
2
,
柿沼 薫
1
,
田川 実紀
1
,
橘 直之
1
,
柿沼 敏行
1
,
田中 宏一
1
Y. Sakamoto
1
,
M. Ohwada
1
,
S. Okada
2
,
K. Kakinuma
1
,
M. Tagawa
1
,
N. Tachibana
1
,
T. Kakinuma
1
,
H. Tanaka
1
1国際医療福祉大学病院産婦人科
2同 病理診断科
pp.701-705
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000474
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鎖骨上窩リンパ節腫大が診断のきっかけとなった上皮性卵巣癌症例を経験した。年齢は63歳,左鎖骨上窩腫瘤を主訴に来院した。CTで鎖骨上窩,縦隔,傍大動脈および骨盤リンパ節に多数の腫大像が確認されたため,左鎖骨上窩リンパ節を生検したところ,低分化腺癌が疑われた。PET/CTでは多数の腫大リンパ節以外に,約8 cm大の骨盤内充実性腫瘤にFDG強集積像が確認された。これらの所見より卵巣癌を疑い,両側付属器摘出,子宮全摘出および大網部分切除を実施した。病理組織学的には右卵管采にserous tubal intraepithelial carcinomaが確認されたが,卵巣への直接浸潤がないため卵巣高異型度漿液性癌と診断した。鎖骨上窩リンパ節の腫大で発見される卵巣癌は稀ではあるが,卵巣癌も鑑別疾患の1つに入れることが重要である。
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