連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・1【新連載】
胚盤胞の着床と栄養膜の分化
塩田 浩平
1,2
,
上部 千賀子
2
1京都大学医学研究科生体構造医学(形態形成機構学)
2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター
pp.5-7
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902373
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シリーズ連載にあたって
ヒトの発生は1個の細胞である受精卵(接合子)に始まり,それが増殖と分化を繰り返し,複雑な形態形成の過程を経て,各器官とからだが形作られていく.主要な器官形成は,胎生期の最初の約8週間に起こり,その後の胎児期に各器官の組織発生が進む.しかし,外生殖器や中枢神経系などでは,胎児期に主要な分化が進む.異常発生の臨界期は,その器官が形成される時期(器官形成期)にほぼ一致するが,組織発生異常の臨界期は,一般にこれよりも長い.
本シリーズでは,ヒト胎芽と胎児における器官形成と組織発生の重要な所見のいくつかをカラー写真を中心に用いて供覧する.ヒトの器官発生・組織発生を視覚的に把握し,異常発生の臨界期を理解するための一助になれば幸いである.
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