臨床経験
当院で胎盤用手剝離術を要した症例の臨床像
鈴木 美沙子
1
,
徳永 直樹
1
M. Suzuki
1
,
N. Tokunaga
1
1磐田市立総合病院産婦人科
pp.167-172
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001183
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当院における常位胎盤の経腟分娩において,胎盤の自然剝離がみられず胎盤用手剝離術を施行した症例の臨床像を明らかにすることを目的とした。4年間の経腟分娩は2,385例あり,胎盤用手剝離術を施行した23例(0.96%:M群)について,1年間の単胎経腟分娩559例(C群)と比較した。M群で出血量が多く,不妊治療歴が多かった。M群の分娩第3期は中央値2時間58分であり,輸血施行14例,子宮摘出3例,IVR施行は1例であった。M群は出血量が多く胎盤娩出まで長時間を要する傾向があるため,常位癒着胎盤が疑われる症例では個々に応じて待機療法や,速やかな輸血の準備・IVR・子宮全摘術などの医学的介入も考慮する。
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