特集 周産期の画像診断 第3版
母体・胎児編 Ⅰ.超音波診断 G.胎盤・臍帯・羊水
常位胎盤早期剝離
田中 博明
1
TANAKA Hiroaki
1
1熊本総合病院産科婦人科
キーワード:
外出血型
,
内包型
,
感度
,
特異度
,
胎児心拍陣痛図
Keyword:
外出血型
,
内包型
,
感度
,
特異度
,
胎児心拍陣痛図
pp.194-196
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001842
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二つの病型
常位胎盤早期剝離は,正常な位置に着床した胎盤(常位胎盤)が,分娩前に部分的,または全体的に剝離することである。胎盤の剝離は,基底脱落膜内の出血から始まり,その後,脱落膜が裂け脱落後血腫を形成する。形成された血腫は,胎盤の剝離を圧迫し,胎盤機能を障害する。この胎盤の剝離によって出血した際に,脱落膜をたどって子宮頸管から腟内に血液が漏れ出てくる場合と,血液が漏れずに胎盤の母体面に血腫を形成する場合がある(図1)1)。前者を外出血型(revealed abruption),後者を内包型(concealed abruption)とよぶ1)。常位胎盤早期剝離において,二つの病型があることは,母体・胎児の予後だけでなく,診断にも関わるため理解しておかなければならない。
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