臨床経験
当センターにおける卵子提供妊娠の患者背景,産科合併症と周産期転帰
倉員 正光
1
,
宮本 新吾
2
M. Kurakazu
1
,
S. Miyamoto
2
1福岡大学病院総合周産期母子医療センター
2同 大学病院産婦人科
pp.175-181
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001184
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本研究では,当センターで管理した卵子提供妊娠症例を後方視的に検討した。顕微授精(ICSI)妊娠124症例を対象とし,卵子提供・ICSI群(n=12)と自己胚・ICSI群(n=112)の2群に分けて,患者背景,産科合併症,周産期転帰を比較した。卵子提供妊娠は,夫婦ともに高齢で,共働きが多かった。卵子提供妊娠の産科合併症と周産期転帰は,自己胚妊娠と同等であり,臨床的に許容されるものであった。一方で卵子提供妊娠では,様々な身体的・社会的・精神的ストレスを抱えており,社会的支援が必要であると考えられた。医療機関は,行政機関と一体となって地域ネットワークを構築し,地域共存社会を推進することが重要である。
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