特集 日本の周産期事情update—出生コホート研究からわかったこと—Ⅰ
各論
5.妊娠と感染
谷村 憲司
1
,
山田 秀人
2
K. Tanimura
1
,
H. Yamada
2
1神戸大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
2同 大学大学院医学研究科産科婦人科学
pp.33-39
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001148
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われわれは,トキソプラズマとサイトメガロウイルス(CMV)の先天性感染に関する前向き研究を行った。それらの研究から得られた主な研究成果は以下のとおりである。
① トキソプラズマ抗体妊婦スクリーニングならびにハイリスク妊婦・新生児に対する薬物療法によって,先天性感染症およびその後遺症を軽減できる可能性がある。
② 新生児尿CMVスクリーニングと症候性先天性感染症児への抗ウイルス薬治療によって,先天性感染児の神経学的後遺症を軽減できる可能性がある。
③ CMV抗体妊婦スクリーニングでは多くの先天性感染児が見落とされる危険性がある。
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