臨床メモ
妊娠とウイルス感染
竹内 久弥
1
1順天堂大学医学部産婦人科
pp.837
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204282
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ウイルス性疾患に関する知識は最近急速に増えつつあり,産科領域でもこれが胎児にも影響をおよぼすことから大きな関心が寄せられつつある。最近の沖縄における風疹流行の結果をみても,われわれ産科医が妊婦管理の上からウイルス感染についての知識を十分に持つている必要のあることがわかる。
ウイルス感染の胎児への影響を考える場合には胎盤が重要な働きをしていることを知らねばならない。すなわち,妊娠11,2週以降では胎盤が胎児へのウイルスの移行を防ぐ防壁となり,ウイルスの種類により胎盤は冒すが胎児には移行しないものと,胎盤には作用しないで胎児へ移行してしまうものと,胎盤と胎児の両者を冒すものとがある。
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