特集 産婦人科医が身につけておくべき遺伝カウンセリング
9.婦人科における遺伝性腫瘍
平沢 晃
1
A. Hirasawa
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御科学専攻腫瘍制御学講座(臨床遺伝子医療学分野)
pp.187-191
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000762
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遺伝性腫瘍診療のエンドポイントは「がん死の低減」であり,遺伝性腫瘍の病的バリアント(変異)を同定することで,がん予防策を構築することを目指す。婦人科領域における遺伝性腫瘍としては遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC),リンチ症候群などが代表である。近年はがん診療のなかで生殖細胞系列病的バリアントが同定される機会が多くなってきている。婦人科癌ではほかのがん種と比較しても生殖細胞系列病的バリアントが潜在している頻度が高いことから,遺伝性腫瘍診療において産婦人科が担う役割は大きい。さらに,病的バリアント同定後のがん治療やがん予防のサーベイランスを施行する立場としても産婦人科実地臨床は重要な立場にある。
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