症例
妊娠25週頃に重度の羊水過少に至るも,自然に羊水量の改善を認めた胎児発育不全の2症例
藤田 久子
1
,
木村 博昭
1
,
春成 淳平
1
,
糸井 瑞恵
1
,
河原井 麗正
1
,
平敷 好一郎
1
H. Fujita
1
,
H. Kimura
1
,
J. Harunari
1
,
M. Itoi
1
,
Y. Kawarai
1
,
K. Hirashiki
1
1君津中央病院産婦人科
pp.1795-1800
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000709
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症例1は妊娠21週より胎児発育不全(FGR)となり,妊娠24週に最大羊水深度(MVP)1.6cmと重度の羊水過少となるも,自然に羊水が改善し,36週5日に1,746g(−2.3SD)の女児を得た。症例2は妊娠22週頃よりFGRとなり,妊娠25週にMVP 0cmとなるも羊水は自然に改善し,37週0日に1,864g(−2.1SD)の女児を得た。妊娠20週前半は羊水の主成分が母体,胎児血漿由来の水分から胎児尿へ切り替わる時期である。FGRの場合,腎の発達も遅れ,尿産生が低下する可能性があり,羊水の主成分が切り替わる時期に一時的に羊水過少となる可能性が考えられた。
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