原著
羊水過多および羊水過少における児の予後
今井 史郎
1
,
中山 雅弘
2
Shiro Imai
1
,
Masahiro Nakayama
2
1大阪府立母子保健総合医療センター産科
2大阪府立母子保健総合医療センター病理
pp.185-188
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207742
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羊水過多75例,羊水過少70につき奇形を含めた病態発生の成因分類を行い,成因と児の予後ならびに分娩週数との関連性を検討した。
1)羊水過多の頻度は1.0%,成因の内訳は単胎奇形56%,双胎28%,その他16%であった。児の死亡率は単胎奇形62%,双胎48%,その他0%であった。双胎の分娩週数は奇形合併例と比較し有意に早かった(P<0.01)。奇形内容別には有意差を認めなかった。奇形合併例の分娩週数はその他の例よりも有意に早かった(P<0.05%)。
2)羊水過少の頻度は0.9%,成因の内訳は奇形37%,妊娠中毒症34%,その他29%であった。奇形の中では腎・尿路系奇形の死亡率が最も高く92%であり,奇形全体では65%であった。妊娠中毒症の死亡率は0%であり,その他は20%であった。羊水過少の成因間ではすべて分娩週数に有意差を認めなかった.
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