臨床経験
付属器疾患に対する低コスト脊椎麻酔下吊り上げ式腹腔鏡手術
岩見 州一郎
1
,
山内 綱大
1
,
山本 絢可
1
,
東山 希実
1
,
中村 彩加
1
,
徳重 悠
1
,
吉水 美嶺
1
,
中川 江里子
1
,
野々垣 多加史
1
S. Iwami
1
,
K. Yamauchi
1
,
A. Yamamoto
1
,
N. Higashiyama
1
,
A. Nakamura
1
,
Y. Tokushige
1
,
M. Yoshimizu
1
,
E. Nakagawa
1
,
T. Nonogaki
1
1大阪赤十字病院産婦人科
pp.1789-1794
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000707
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当科では,手術の低侵襲化・低コスト化を図るために,脊椎麻酔下吊り上げ式腹腔鏡手術を施行している。2015年9月~2017年12月に施行した付属器腫瘍,異所性妊娠に対する腹腔鏡手術を,脊椎麻酔下吊り上げ群(80例)と全身麻酔下気腹群(129例)に分けて,後方視的に比較,検討したところ,手術時間,出血量,術後在院日数のすべてで脊椎麻酔下吊り上げ群が有意によい傾向にあった。なお,吊り上げ腹腔鏡手術はディスポーザブル製品の使用が少ないため,気腹腹腔鏡手術に比べ1件あたり約3~4万円のコストメリットがあった。
難易度が高くなく,短時間で終わると予想される付属器腫瘍手術,異所性妊娠手術であれば,脊椎麻酔下吊り上げ式腹腔鏡手術を選択することで,低侵襲・低コストという面でメリットがあると考える。そのためには,適切な症例選択が重要である。また,麻酔科医が不足している施設では,自科麻酔で対応可能なこともメリットと考える。
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