特集 周産期の画像診断 第3版
胎児診断から新生児診断へ
著明な羊水過少
岩垣 重紀
1
,
近藤 應
2
IWAGAKI Shigenori
1
,
KONDO Masashi
2
1岐阜県総合医療センター産科・胎児診療科
2岐阜県総合医療センター新生児内科
キーワード:
羊水過少
,
Potter sequence
,
RAFT trial
Keyword:
羊水過少
,
Potter sequence
,
RAFT trial
pp.611-615
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001930
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著明な羊水過少とは…
羊水量の減少は,児のさまざまな合併症を増加させる可能性があり,一般的にはamniotic fluid index(AFI)<5 cmあるいはsingle deepest pocket(SDP)<2 cmである場合に羊水過少と定義されている。しかしどちらの指標も胎児および新生児の予後を正確に予測するものではない。その理由として,児の予後は羊水量のみで決まるものではなく,その原因や発生時期,持続期間も大きく関わってくるからである1)。とはいえ,AFI<2 cm,SDP<1 cmである場合は肺低形成のリスクが上昇することが示されており1,2),その原因のいかんにかかわらず児の予後不良と関連する可能性がある。本稿では児の重篤な予後に直結する可能性がある羊水過少を「著明な羊水過少」として取り上げ,臨床で遭遇した際にどのように対応し,新生児医療へつなげるかを考える。また両側腎無形成に対して,児の肺低形成の予防を目的とした羊水注入療法の効果を検討したRenal Anhydramnios Fetal Therapy (RAFT) trialについても言及する。
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