特集 今さら聞けない産婦人科診療のコツとトラブル対処法
10.子宮内膜症治療
-―妊孕性にどう配慮するか?―
谷口 文紀
1
,
原田 省
1
F. Taniguchi
1
,
T. Harada
1
1鳥取大学医学部生殖機能医学分野
pp.1645-1649
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000674
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子宮内膜症合併不妊患者に対して最適な治療方針を示すことは単純ではない。卵巣チョコレート囊胞がある場合は,疼痛が強いときや,自然妊娠を強く望むときには手術療法を考慮する。自然妊娠の成立には,子宮内膜症病変が卵管機能に影響を与えているかが重要と考えられる。囊胞摘出術により卵巣予備能は低下するが,片側の場合は体外受精の妊娠率にはさほど悪影響を与えない。年齢とともに卵巣予備能は低下することから,ARTへの移行時期を逸することのないように配慮する。
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