特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅳ.婦人科腫瘍・婦人科疾患への対策
4.思春期子宮内膜症の対応
小松 宏彰
1
,
谷口 文紀
1
,
原田 省
2
H. Komatsu
1
,
F. Taniguchi
1
,
T. Harada
2
1鳥取大学医学部産科婦人科学分野
2同大学医学部附属病院
pp.1118-1121
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002299
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思春期女性における子宮内膜症は多彩な症状を呈する1)。下腹部痛や子宮以外の骨盤内の諸臓器による症状がみられる場合は,子宮内膜症を念頭に診察し,炎症性腸疾患や骨盤内感染症,卵巣腫瘍などとの鑑別が必要である。問診および超音波などの侵襲が少ない検査によって診断が困難な場合はまずはホルモン剤による薬物療法を優先する。薬物療法抵抗性やどうしても必要なときに腹腔鏡手術を考える。赤色病変のような活動性の子宮内膜症病変を認めた場合は,切除することで症状の改善につながることが多い。薬物による対症療法においては,患者との長期的なかかわりを視野に入れつつ,OC/LEP,ジエノゲストなどを用いて副作用に留意しながら治療を行う。1人ひとりの女性が心身ともにwell-beingに生きられるように,患者の年齢や症状に合った個別治療が求められている。
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