特集 産婦人科漢方医学―基礎と臨床のエビデンス―
臨床研究における漢方のエビデンス
12.子宮内膜症患者の月経困難症に対する当帰芍薬散の効果
谷口 文紀
1
F. Taniguchi
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学(教授)
pp.287-291
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002495
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月経困難症を有する子宮内膜症患者に対する低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP)と当帰芍薬散(TSS)の併用療法による効果と安全性について報告する。投与前後での健康状態に関する質問票(EHP-30),月経随伴症状(MDQ),冷え症状調査票(冷えVAS)およびリッカートスケールを用いて評価したところ,MDQではTSSの併用により,月経前の水分貯留において改善がみられた。また,冷えVASおよび治療満足度が改善した。LEP治療中の月経にかかわる不快症状,特に冷え症状を訴える女性に対して,TSSが追加治療薬となりうることを示した。
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