特集 難治性婦人科悪性腫瘍の臨床最前線
6.子宮頸部腺癌
工藤 敬
1
,
島田 宗昭
2
,
徳永 英樹
2
,
新倉 仁
2
,
山田 秀和
1
,
八重樫 伸生
2
K. Kudo
1
,
M. Shimada
2
,
H. Tokunaga
2
,
H. Niikura
2
,
H. Yamada
1
,
N. Yaegashi
2
1宮城県立がんセンター婦人科
2東北大学医学部産婦人科
pp.739-744
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000488
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
子宮頸部腺癌は扁平上皮癌に比して,化学療法や放射線療法に対する感受性が低く,腺癌は扁平上皮癌よりも予後不良と認識されている。しかしながら,腺癌に特化した臨床研究は極めて少なく,組織型に基づく治療の個別化を支持するエビデンスはないことから,扁平上皮癌に準じた治療が行われている。わが国では,ⅠB~Ⅱ期では手術療法と化学療法との集学的治療,Ⅲ~ⅣA期では放射線療法と化学療法との集学的治療,ⅣB期・再発例には化学療法による予後改善が図られてきた。がんのゲノム解析が急速に進み,個々の遺伝子変異情報から治療標的が同定されつつある。がんゲノム医療の成果により,難治性がんである子宮頸部腺癌の治療戦略が新たな展開を迎えることに期待したい。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.