特集 卵巣癌の手術up to date
8.痛恨症例から学ぶ1:PDSによるcomplete surgeryと思われた低異型度漿液性癌の1例
田畑 務
1
,
金田 倫子
1
T. Tabata
1
,
M. Kaneda
1
1三重大学医学部産婦人科
pp.509-514
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000430
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腹腔内に多数の播種を伴った低異型度漿液性癌の1例を提示する。術前にCTにて脾門部に腫瘤を認めたため摘出手術を行い,摘出後の脾門部の触診にて残存腫瘍がなく,PDS(primary debulking surgery)によるcomplete surgeryであったと思われた症例である。しかし,術後CTにて脾門部に残存する石灰化病巣があることが判明し,化学療法を6コース施行した後,脾摘を行ったところ,病理診断は低異型度漿液性癌であった。画像診断の重要性を再認識させられた1症例である。このような症例を皆で共有し,今後の診療に役立てていただきたい。
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