特集 想起できるかが分かれ道! 知っておきたい母体合併症
7. 大動脈解離と結合組織異常
桂木 真司
1
,
森崎 裕子
2
,
吉松 淳
3
,
池田 智明
4
S. Katsuragi
1
,
H. Morisaki
2
,
J. Yoshimatsu
3
,
T. Ikeda
4
1榊原記念病院産婦人科
2同 臨床遺伝科
3国立循環器病研究センター周産期・婦人科
4三重大学医学部産科婦人科学教室
pp.41-49
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000309
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妊娠中は血圧上昇,エストロゲンによる大動脈中膜の脆弱性が高まることで大動脈解離の頻度が増加する。リスクのない女性から突然発症することもあるが,Marfan症候群などの結合組織疾患では妊娠前にエコー検査などを行い,妊娠・出産のリスクを事前に評価することが重要である。遺伝検査を含めた確定診断や,次世代への発症率など遺伝カウンセリングは重要である。Marfan症候群でバルサルバ洞径が40mmを超えるものは大動脈解離/拡張のリスクが高いが血圧に応じて妊娠中のβ遮断薬投与が大動脈保護の観点から重要で,循環器内科,外科を含めた多科multidisciplinary teamによる協同管理体制が最も重要である。
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