特集 想起できるかが分かれ道! 知っておきたい母体合併症
6. 妊産婦脳卒中
大野 泰正
1
Y. Ohno
1
1大野レディスクリニック
pp.35-40
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000308
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妊産婦脳卒中はわが国における妊産婦死亡原因の第2位である。発症率は9~10/10万分娩で出血性脳卒中(HDPに関連した脳内出血,脳動静脈奇形破裂,くも膜下出血,もやもや病)が虚血性脳卒中(脳梗塞,脳静脈洞血栓症)より多く,生命予後も悪い。脳卒中は妊娠中から産褥期のいずれの時期でも発症し,出血性脳卒中は妊娠週数が増すとともに増加,妊娠前半の出血性脳卒中には脳動静脈奇形などの基礎疾患を有する場合が多い。妊産婦脳卒中の管理法確立に向けて,産婦人科領域と脳神経外科領域の学会間連携として「妊産婦脳卒中合同委員会」が活動している。また,包括的脳卒中センターでの妊産婦脳卒中患者の管理を推進する目的で「周産期脳卒中センター」の活動も始まっている。
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