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生殖領域 GQ-36 子宮内膜症性卵巣囊胞合併ART 症例に対する治療戦略は?
藤原 敏博
1
,
松村 史子
1
1山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター
pp.1599-1604
発行日 2017年10月31日
Published Date 2017/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000201
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子宮内膜症性囊胞合併不妊では,生殖補助医療(ART)が適応となる症例は多い。この場合,海外の多くのガイドラインでは,妊娠率の向上に寄与しないことを理由に事前の手術療法を推奨していない。しかし,実際の臨床現場では,囊胞の存在のために卵胞穿刺が困難となったり,囊胞を穿刺したために腹膜刺激症状や感染を起こしてしまったりすることがありうる。また,少なからず存在する悪性病変の診断やQOL 改善目的では手術療法に一日の長がある。一方でやみくもに手術を行うことは,妊孕性の低下を招く可能性があることも事実である。したがって,実際の状態と目的とを総合的に勘案した上での,手術療法の適応ならびに術式の決定が重要となると考えられる。
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