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生殖領域 GQ-32 不妊治療の終結点,ART の限界は?
京野 廣一
1
,
橋本 朋子
2
1京野アートクリニック高輪(理事長)
2京野アートクリニック高輪(副院長)
pp.1561-1568
発行日 2017年10月31日
Published Date 2017/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000197
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2014 年の日本産科婦人科学会の報告では45 歳から総治療数あたりの生産率が1%を割り,流産率が65%を超え,総治療周期数あたりの移植周期が40%を割っている。このあたりがART の限界と考える。しかし日本では1 年間にART により45 歳を超えても1%未満の生産率ではあるが,126 人が出産している。厚生労働省の報告では同年45〜49 歳で1,214 人,50歳以上で58 人出産しており,海外での卵子提供によるものと推測される。一方,周産期の立場からはリスク(妊娠高血圧症候群,前置胎盤,常位胎盤早期剝離など)が加齢とともに増加することも留意してART を実施する必要がある。
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