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講座
小児の運動発達 2.姿勢と運動の発達
Motor Development in Children. 2. Development of Posture and Movement
中島 雅之輔
1
Masanosuke NAKASHIMA
1
1東京都立北療育園
1Tokyo Metropolitan Kita-Ryoikuen Hospital for Cerebal Palsy.
pp.532-537
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103383
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はじめに
小児,特に乳児の運動発達は目覚ましいものがある.ほぼ1歳半頃には成人に近い歩行パターンに達する.そこで,ここでは安定した独歩が完成するまでの,姿勢と運動の発達について述べる.
運動発達は,神経機構の成熟に伴って出現して来る姿勢反射・反応の発達により裏付けられている.姿勢反射・反応の統合中枢が,月齢と共に,脊髄,脳幹,大脳皮質へと高位になるに従って,緊張性反射群より立ち直り反応群そして平衡反応群が順次出現するようになる.それに伴った姿勢と運動が各月齢ごとに見られるのである.
運動発達はこの結果,一定の法則と因果関係をもって出現してくるのである.それゆえ,運動発達経過を姿勢・運動の発現時期についてのみ記憶するだけでは.不十分であっで,①姿勢反射・反応との関連,②個々の姿勢・運動を因果関係に従って理解することにより,これをより良く治療の役に立てることができるのである.記憶するだけでは,運動発達遅滞があることを診断することはできでも,何が不十分で発達遅滞が生しているか,またはどのようにアプローチすれればよいかの方針を立てることが困難になるのである.
ここでは,姿勢反射・反応との関連については一部触れるのみとし,日常に見らねる姿勢・運動がどのような因果関係をもって出現して来るかを述べ,治療の役に立てたい.
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