特集 いま話題の5歳児健康診査を詳しく学ぶ
各論 5歳児健診そのあとに―フォローが大切!
どのような場合に発達支援が検討され,地域にどのような発達支援があるか
柴田 光規
1
SHIBATA Mitsunori
1
1社会福祉法人青い鳥川崎西部地域療育センター
pp.692-695
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002412
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はじめに
架空の5歳児のケースである。保護者の主訴は文字に興味がない,落ち着きがないということだった。子どもは声が小さいためか語尾が聞き取りにくく,相互のコミュニケーションもとりにくかった。知的な理解は低くないと思われた。家では困っていないが,保育所に指摘されたので仕方なく来たと語った。詳しく聞くと,年長から登園しぶりや落ち着きのなさが目立ってきたという。就学までになんとかしたい,小学校や教育委員会に相談してレッテルを貼られることが心配とも語った。保護者が話している間,子どもはスタッフと穏やかに遊んで待っていた。だんだん時間が経つにつれて高いところにのぼったり,近くのものを触って壊したりして,保護者に叱責されるようになった……。健診や外来でよくある場面だろう。

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