特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅰ
疾患別の概説――診療連携の視点を含めて
4.結節性硬化症
岡西 徹
1
1鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経小児科学分野
pp.246-260
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003387
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結節性硬化症(TSC)はTSC1・TSC2遺伝子の機能喪失型バリアントにより多臓器に過誤組織・過誤腫を発症し,それぞれの臓器に特徴的な病変を呈する神経皮膚症候群である.現在は臨床症状(大症状11個+小症状7個)または遺伝子検査にて確定診断を行う.診断とフォローアップは多科連携によりシステマティックに行う.近年は診断精度の向上,遺伝学の進歩,検査法と治療法の確立,mTOR阻害薬の登場を経て,TSC診療が劇的に進歩してきた.小児科領域では中枢神経症状(てんかん,神経精神症状),心横紋筋腫,腎血管筋脂肪腫,顔面血管線維腫が問題となりやすいが,包括的・長期的な視点に立った診療を行うためには成人後を含めた全体像の把握が必要である.

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