特集 日常診療で見落としたくない神経疾患
Ⅱ 新たな診断・治療が可能となった疾患
11.先天性サイトメガロウイルス感染症
森岡 一朗
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
キーワード:
新生児マススクリーニング
,
バルガンシクロビル
,
症候性先天性サイトメガロウイルス感染症
,
尿
Keyword:
新生児マススクリーニング
,
バルガンシクロビル
,
症候性先天性サイトメガロウイルス感染症
,
尿
pp.1031-1038
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002724
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わが国では,1/300名で先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染が発生し,1/1,000名で症候性先天性CMV感染症児が発症している.先天性CMV感染症児のうち,症候性先天性CMV感染児は約9割に神経学的後遺症が発生する.わが国では,2018年より生後3週以内の新生児尿を用いて確定診断が可能となっている.2023年3月27日に,聴覚異常や精神運動発達遅延の改善や進行抑制のための症候性先天性CMV感染症に対するバルガンシクロビルが保険適用となった.そのため,いかに見逃しをなくし,早期診断・早期治療を行うことを求められている.すべての先天性CMV感染児をもれなく同定するためには,全新生児尿CMVマススクリーニングしかない.
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